blessingからの耳より情報

人間力向上で人生を楽しむ。

多様化したニーズの間違い

「今回の新サービスは、お客様のニーズに対応し・・・」

「来期こそはお客様の多様化するニーズに合わせた戦略を・・・」

こうしたフレーズをよく耳にします。

この「お客様のニーズ」という言葉、マーケティングが広く定着してから、

併せてよく使われるようになってきましたが、

どうしても違和感を感じてしまいます。

上のようなフレーズは、

消費者が需要や欲求を進化させて、

その欲求を満たすために、企業慌てふためいてるように感じを受け、

「わがままな消費者が増えてきた」と言わんとするように聞こえるのです。

しかし、今一度考えてみたいのは、

なぜお客様のニーズが多様化しているのかです。

我々消費者というのは、モノやサービスに対する欲求を

明確に持っている訳ではありません。

たとえば、iPhoneのような先進的な機器が出ることを

誰が想像したでしょうか。

いまでこそ「iPhoneが欲しい!」「iPhoneのここが不満!」

といった声は聞かれますが、

それはAppleという企業が商品を開発したことにより生まれています。

また、その他の企業は差別化戦略としてiPhoneにない部分、

たとえば防水機能などを積極的に訴求できる商品を開発し、

そうした需要が消費者間で生まれていきます。

こうして見てみると、ニーズというものは、消費者が生み出すものではなく、

企業がその発端をになっていることがわかります。

そして、企業同士の競争によってそのニーズは多様化していきます。

このように考えると、

先ほどの「多様化したニーズ」というフレーズは、

本来、「競争によって多様化させられたニーズ」と言うべきものだと感じます。

ニーズは勝手に生まれているものではなく、企業が生み出すものなのです。

これは決して言葉の問題だけではありません。

こうしたスタンスの違いによって、企業の戦略の取り方が

変わってくるのではないでしょうか。